監視の階層化:エクスポートサーバ

エクスポートサーバ

概要

エクスポートサーバを使用すると、仮想的にデータを配布することがでます。エクスポートサーバが適切に設計され、異なる情報プロファイルに分割されていると、無制限の数の情報を監視できます。

主たる考え方は、情報を下から上へ配布する、上へ行くほど広い範囲となる階層構造を作ることです。最下位レベルでは、多くの情報を収集するかわりに、Pandora FMS の基本的なインストール情報のみを抽出し、Pandora FMS の上位のインストールに対して、情報をフィルタできるようにします。

情報を取得している下位のサーバから階層的にエクスポートします。フィルタという考え方でいえば、サーバの全てのデータの複製を作るための技術ととらえることができます。ただし、サーバのパフォーマンスに影響を与えます。

個々の Pandora FMS は、自身のデータを一つもしくは複数のサーバへエクスポートすることができます。

モジュールのデータをエクスポートすることができ、つまり、Pandora FMS は階層でより上のサーバが重要なデータを受け取ることができます。

イベント、ビュー、レポート、ユーザおよび、パーミッションの処理は、それぞれの Pandora FMS ごとに異なります。すべてが違う目的でインストールされているかもしれません。より上位では、データをリアルタイムに処理することができません。なぜなら、データは下位のサーバから受け取るのみであり、また、下位のモニタ項目にアクセスする手段が無いためです。情報の分類とアクセス権限が、アーキテクチャのデザインによって完全に決められています。

サーバは、XML を通してデータを受け取ります。エージェントが生成したデータをデータサーバが受け取るのと似ています。上位のサーバは、データのみを受け取ります。イベントはうけとりません。また、元サーバのアラート再利用はできません。アラートやレポート、グラフなどは受け取るデータを元に上位サーバで定義します。

モジュールデータをエクスポートする最初のステップは、エクスポートするサーバと、インポートするサーバの間の接続を行えるようにする異なる設定のスケーリングサーバを定義することです。

ターゲットサーバの追加

サーバ(Servers)エクスポートターゲット(Export targets) で、作成(Create) をクリックします。

次のような画面が表示されます。

以下に各フィールドの詳細について説明します。

名前(Name)

Pandora FMS サーバの名前です。

エクスポートサーバ(Export Server)

データをエクスポートするのに利用するエクスポートサーバを選択します。

プレフィックス(Prefix)

プレフィックスは、データを送信するエージェント名に追加されるものとして使われます。例えば、“Farscape” という名前のエージェントのデータが再送され、エクスポートサーバのプレフィックスが “EU01” であるなら、送信先のサーバではエージェント名が EU01-Farscape となります。これにより、異なる発信元の Pandora FMS サーバからの情報を受け取っているサーバで、データの発信元を知ることができます。同じ名前があっても大丈夫です。サーバは、プレフィックスの後に常に “_” を追加します。そのため、プレフィックスの設定を行わないと、送信先のサーバでは “_” がエージェント名の前に付きます。

間隔(Interval)

データを送信する間隔 (秒単位) を設定します。データは常にオリジナルソースから収集されます。エージェントのデータ収集が 300秒ごとでも、この設定を 1000秒にすると、この間隔でサーバはデータを送信します。この場合、300秒ごとに収集されているエージェントのデータは、3つまとめて送信されます。

アドレス(Address)

データを受け取るデータサーバのアドレスです。

転送モード(Transfer Mode): ファイルの転送モードです。以下から選択可能です。

  • Local:データをエクスポートするサーバと同じマシンで受け取る場合。
  • SSH: SSH での転送の場合。データをエクスポートするサーバの鍵を受け取るサーバに設定する必要があります。
  • FTP: FTP での転送の場合。
  • Tentacle: Tentacle を使った転送の場合。(推奨)

ユーザ(User)

エクスポート処理に利用されるユーザです。

パスワード(Password)

ユーザパスワードです。

ポート(Port)

ファイル転送に使うポート番号です。Tentacle では、41121 が通常のポート番号です。

対象ディレクトリ(Target directory)

リモートでデータを置く (SSH もしくは FTP を利用) ターゲットのディレクトリです。

拡張オプション(Extra options)

Tentacle を認証付きで利用する場合などの、追加のオプションを設定するフィールドです。

ターゲットサーバの編集

ターゲットサーバを編集するには、ターゲットサーバ名をクリックするか、以下の例に示すアイコンをクリックします。適切な変更を行うためのメニューが表示されます。

情報やパラメータを編集したら、更新(Update) をクリックして変更を保存します。

ターゲットサーバの削除

ターゲットサーバを削除するには、対象サーバの右にあるゴミ箱アイコンをクリックします。

ターゲットサーバのモジュールへのリンク

情報を縮小するためには、上位インスタンスに情報を送信できるモジュールを 1つずつ選択する必要があります。 これを行うために、Pandora FMS コンソールのモジュールエディタには、データの種類ごとに 1つのエクスポートサーバを割り当てることを可能にするオプションが実装されています。 これを行うには、情報を送信したいモジュールの設定を行います。高度なオプションの中から、必要なエクスポート先を選びます。

Pandora FMS が前述のサーバへデータエクスポート処理を開始できるように、'更新(Update)' ボタンをクリックしてください。

モジュールの一括操作 を用いて、複数のモジュールを一度に編集することができます。

Pandora FMS ドキュメント一覧に戻る