目次
最初のインストールから監視まで (クラウド)
概要
このガイドの目的は、Pandora FMS に慣れていないが、システムとネットワークについて中程度から高度な知識を持っている人に Pandora FMS をすばやく紹介することです。目的は、すべての Pandora FMS 機能を掘り下げることではなく、最も重要な機能について説明することです 。そうすれば、完全なクイックガイドを読んだユーザは、基本的な管理および操作タスクをすばやく実行できるはずです。
Pandora FMS公式トレーニングは 40 時間かかり、公式ドキュメントは 1200 ページ以上あります。そのため、Pandora FMS のより大きなドキュメントへ進む前に最初に触れる段階で複雑にならないようにすることを考えています。
現在のインターネット接続が高速(100Mbps以上)になっていることから、オンラインインストオール(クラウド)を利用することをお勧めします。また、インストールが完了したら、最初のステップへ行きます。
オンラインインストールツール
インターネットにアクセスできる場合は、この便利なツールを使用してオンラインでインストールを実行することをお勧めします。
オールインワンの Pandora FMS 環境(サーバ/コンソール/データベース)
このインストール方法は、クラウド上に環境を用意する場合に特に役立ちますが、それに限定されるものではありません。
“クラウドプロバイダー” (または単に “クラウド”) という用語は、ハードウェア、ハイパーバイザー、および構成と管理用のカスタマーサポート Web システムを備えた専用プロバイダーでの仮想マシンの排他的または共有のホスティングを表すために使用されます。
いずれに対しても、Pandora FMS オープンソース版をインストールできます。 オペレーティングシステムとして RedHat (RHEL) 8.x を推奨しますが、RockyLinux 8.x 、AlmaLinux 8.x および Centos7.x にも対応しています。
このインストール条件における最小ハードウエア構成は、1コア CPU、2GB メモリ、20GB のディスク(SSD が望ましい)です。
これらは最小要件です。監視環境の適切なサイズは、必要最低ハードウエアスペック を確認してください。
オンラインインストールツールを利用するための条件
- インターネットアクセス。アクセス先:
- オープンソース版 (icmp):
- firefly.artica.es
- support.pandorafms.com
- オープンソース版 (http/https):
- Enterprise 版 (http/https):
- これらの URL に加えて、利用ディストリビューション(RHEL/Rocky Linux/CentOS)の公式リポジトリへアクセスできる必要があります。
- curl がインストールされている必要があります。(ほとんどのディストリビューションではデフォルトでインストールされています)
- 必要最低ハードウエアスペック にマッチしていること。
- 管理者ユーザ root であること。
- 対応 OS であること。
- RHEL 8 を使用する場合は、事前にライセンスを有効化して、標準リポジトリを購読する必要があります。
オンラインインストールツールを使用するには、root 管理者ユーザとしてクラウドプロバイダーから提供されたコマンドラインにアクセスし、次のコマンドを実行します。
CentOS 7.x:
curl -sSL https://pfms.me/deploy-pandora | bash
RHEL 8.x および Rocky Linux 8.x:
curl -sSL https://pfms.me/deploy-pandora-el8 | bash
Pandora FMS Enterprise 版用の同様のオンラインインストールツールもあります。こちらの入手は 販売元にお問合せください。
加えて、オンラインインストーラは サテライトサーバインストール 用のものもあります。
この実行により、Pandora FMS スタック全体がインストールされ、監視を開始するための完全な環境ができあがります。
より詳細は、ビデオチュートリアル «Cloud installators (agents, server)» でも見ることができます。
オンラインインストールツールを使ったカスタムインストール
上記の実行により完全なインストール環境が作成されますが、環境変数を使用してさまざまな設定を定義し、インストールをカスタマイズすることができます。
定義可能な環境変数は次の通りです。
- TZ: マシンの タイムゾーン の定義です。デフォルトは
Europe/Madrid
です。 - DBHOST: データベースホストです。デフォルトは
DBHOST=127.0.0.1
です。 - DBNAME: 作成するデータベース名です。デフォルトは
DBNAME=pandora
です。 - DBUSER: 作成されるデータベースのユーザです。デフォルトは
DBUSER=pandora
です。 - DBPASS: 作成されるデータベースユーザのパスワードです。デフォルトは
DBPASS=pandora
です。 - DBPORT: データベースの接続ポート番号です。デフォルトは
DBPORT=3306
です。 - DBROOTPASS: データベースの root ユーザのパスワードです。デフォルトは
DBROOTPASS=pandora
です。 - SKIP_PRECHECK: すでに pandora がインストールされているかどうかのチェックをスキップします。これは、新しいデータベースを作成し、インストールがこのデータベースを指すようにするのに役立ちます。デフォルトは
SKIP_PRECHECK=0
です。 - SKIP_DATABASE_INSTALL: データベースのインストールをスキップします。これは、ローカルまたはリモートのデータベースがすでにインストールされており、そのデータベースの認証を使用して Pandora FMS データベースを作成する場合に役立ちます。 デフォルトは
SKIP_DATABASE_INSTALL=0
です。 - SKIP_KERNEL_OPTIMIZATIONS: 推奨の kernel 最適化をスキップします。上級ユーザ向けです。デフォルトは
SKIP_KERNEL_OPTIMIZATIONS=0
です。 - MYVER: インストールする MySQL バージョンを定義します。80 が定義されると MySQL 8 がインストールされます。デフォルトは
MYVER=57
(MySQL 5.7) です。 - PHPVER: インストールする PHP バージョンを定義します。8 が定義されると PHP 8 がインストールされます。デフォルトは
PHPVER=7
(PHP 7) です。 - PANDORA_SERVER_PACKAGE: インストールしたい Pandora FMS サーバの RPM パッケージ URL を定義します。デフォルトは最新版です。
- PANDORA_CONSOLE_PACKAGE: インストールしたい Pandora FMS コンソールの RPM パッケージ URL を定義します。デフォルトは最新版です。
- PANDORA_AGENT_PACKAGE: インストールしたい Pandora FMS ソフトウエアエージェントの RPM パッケージ URL を定義します。デフォルトは最新版です。
- PANDORA_BETA:
1
に設定すると、最新のベータ版のパッケージがインストールされます(テスト環境向け)。デフォルトはPANDORA_BETA=0
です。 (特定のパッケージが指定されている場合、このオプションは無視されます。)
これらの環境変数を使用するには、インストールスクリプトを実行する前にそれらを定義するだけです。たとえば、環境変数を定義して RHEL 8 でインストールするには、次のようにします。
env TZ='Europe/Madrid' \ DBHOST='127.0.0.1' \ DBNAME='pandora' \ DBUSER='pandora' \ DBPASS='pandora' \ DBPORT='3306' \ DBROOTPASS='pandora' \ MYVER=57 \ PHPVER=7 \ SKIP_PRECHECK=0 \ SKIP_DATABASE_INSTALL=0 \ SKIP_KERNEL_OPTIMIZATIONS=0 \ PANDORA_SERVER_PACKAGE="https://firefly.pandorafms.com/pandorafms/latest/RHEL_CentOS/pandorafms_server-7.0NG.noarch.rpm" \ PANDORA_CONSOLE_PACKAGE="https://firefly.pandorafms.com/pandorafms/latest/RHEL_CentOS/pandorafms_console-7.0NG.noarch.rpm" \ PANDORA_AGENT_PACKAGE="https://firefly.pandorafms.com/pandorafms/latest/RHEL_CentOS/pandorafms_agent_linux-7.0NG.noarch.rpm" \ PANDORA_BETA=0 \ sh -c "$(curl -fsSL https://pfms.me/deploy-pandora-el8)"
最初のステップ
インストールすると、システムが起動し、数秒後に、ログイン画面がターミナルに表示されます。
最初のステップは、システム IP アドレスを取得して外部からサーバに接続できるようにすることです。 取得するには、次のコマンドを実行します。
ifconfig
ip address show
コマンドも利用できます。
例を示します。このケースでは、システムの IP アドレスは 192.168.70.158
です。
システムが起動し、DHCP を介してネットワークから IP を取得した場合は、リストに表示されます。 このシステムに静的 IP を設定する場合は、nmtui コマンドを使用して設定します。このコマンドは、そのためのグラフィックインターフェイスを表示します。
Pandora FMS システムの IP アドレスがわかれば、仮想マシンの外部からアクセスできます。これは常に便利です。 SSH または HTTP 経由でアクセスできます。インストールプロセスの中で、設定した root (スーパーユーザ) パスワードを忘れないでください。
ブラウザを開き、サーバから取得した IP アドレスを入力します。
http://x.x.x.x/pandora_console
前の例では、次のようになります。
http://192.168.70.158/pandora_console
続行するには、システムの IP を正しく取得する必要があります。 すべてが正しければ、Pandora FMS コンソールのウェルカム画面が表示されます。これは次のようなものです。
デフォルトの認証情報を使います: ユーザ admin
およびパスワード pandora
ここまでくると、Pandora FMS の完全なインストールが完了して使用を開始できます。
Enterprise ライセンスアクティベーション
この章は Enterprise ユーザのみです。評価版は お問合せください。
メタコンソール ライセンスがある場合、関連する各ノードを自動的にアクティブ化するため、この処理は必要ありません。
Enterprise 版をインストールした pandora_server
は、Enterprise 版のコンソールが有効になっていない段階では起動させないことが重要 です。そうでないと失敗します。
ビデオチュートリアル «How to renew Pandora FMS License Online» や «Offline» もご覧ください。ブラウザから Pandora FMS へアクセスすると、正しいライセンスの入力が求められます。
新規ライセンスの要求(Request new license) をクリックし、次のステップへ進みます。Enterprise 版であれば、ここで連絡先情報と販売元から入手した Auth Key を入力します。
オンライン認証(Online validation) をクリックして次のステップへ進みます。
完了すると、ライセンスがポップアウトして認証されます。
すべての手順が完了すると、コンソールを使用できるようになります。
Enterprise サーバの起動
この章は Enterprise ユーザのみです。評価版は お問合せください。
ライセンスをアクティベートしたら、Enterprise サーバを起動できます。サーバ自体を監視するエージェントにアクセスする場合は、コマンドターミナル(ローカルまたはリモート)または クイックシェル機能 を介して Pandora FMS サーバに接続できます。
sudo /etc/init.d/pandora_server start
バージョン NG 754 以降では、高可用性(HA)環境の手動起動・停止の追加のオプションがあります。
すべてが機能することを確認するには、ブラウザから Pandora FMS にアクセスし、サーバ(Servers) → サーバ管理(Manage servers) に行きます。次のように表示されます。
ネットワーク内のシステムの検出
Pandora FMS の利用を開始するには、ローカルネットワーク上にあるデバイスを検出して監視します。これは非常に基本的な監視タスク(pingに応答するかの確認)であるため、Windows、Macintosh、Linux サーバ、またはルータ/スイッチを搭載した PC であるかどうかは関係ありません。それらが検出されたら、監視を始められます。
自動検出タスクの作成
次の手順に従います。 サイドメニューから、以下の画像に示すように 自動検出(Discovery) > 自動検出(Discovery) に移動し、“Host&Devices” および “NetScan” をクリックします。
次のようにタスクを作成します。調査するネットワーク範囲を編集します。 このスクリーンショットでは、範囲は 192.168.70.0/24 です。これは、192.168.70.xxネットワーク内のすべてのホストが探索されることを意味します。 ここで適切な IP アドレス範囲を使用して、ネットワークを定義します。 検出されたデバイスを統合するために使用されるグループ Applications“ を選択します。 今後、Pandora FMS によって管理または監視されるサービスは “エージェント(agents)” と呼ばれます。
ネットワークテンプレート “Basic monitoring” が選択されました。これは、遅延とネットワーク可用性のチェックのみを対象としています。 自動検出タスク中に実行される SNMP や WMI などの種類のチェックを選択できます。
作成すると、エントリが表示され、下のスクリーンショットに示すように、虫眼鏡アイコンをクリックしてタスクの詳細が表示されます。
虫眼鏡アイコンをクリックすると、現在のタスクの状態が表示されます。この場合は完了です。 このスクリーンショットでは、進行状況バーが表示されておらず、システムが監視に追加するネットワークデバイスをすでに検出していることがわかります。
検出されたシステムの確認
この時点で、ネットワークが完全に検出されるまで待つことをお勧めします。終了したら、エージェントの詳細表示にアクセスして、検出されたすべてのシステムを確認します。 更新タブ をクリックします。 終了したら、エージェントの詳細表示に移動して、検出されたすべてのシステムを確認します。 メニューの モニタリング(Monitoring) > 表示(Views) > エージェント詳細(Agent detail) で、次のような画面が表示されます。
ここでは、Pandora FMS によって適切に検出されたいくつかのシステムが表示される場合があります。 (DNS によって可能であれば)システムの名前が検出される場合もあれば、OSが検出される場合もあります。システム名(この場合はスクリーンショットに表示されている最初の名前)をクリックすると、そのシステムに関して収集されたすべての情報を表示するエージェント詳細表示に転送されます。
すでに監視しているシステムへのリモート監視項目の追加
システムが検出されているので、いくつかの監視モジュールを追加します。 追加する監視パラメータは次のとおりです。
- インタフェースのネットワークトラフィック
- ネットワークパケットロス
- TCP ポートのサービス応答チェック
インタフェースネットワークトラフィック
ネットワークトラフィックを監視するには、リモートデバイスで SNMP を設定する必要があります。これは通常、データをチェックできるように有効化化して(最小限の)設定をする必要があります。 SNMP デバイスを使用すると、どの IP からクエリを実行できるか、およびどのコミュニティを使用するかを設定できます。これは、追加のセキュリティ対策として機能することになります。
まず、ネットワークトラフィックを取得するエージェントを見つけます。この場合は 192.168.70.1 です。 同じプロセス(モニタリング(Monitoring) > 表示(Views) > エージェント詳細(Agent detail) )に従って、設定するエージェントのメイン画面に移動し、右側の最後のタブをクリックします。 そのエージェントの編集画面に移動します。
次に、エージェント編集のメイン画面に移動します。 以下に、このエージェントのウィザード設定サブメニューが表示されます。 次のスクリーンショットに示すように、SNMP インターフェイスウィザードを選択します。
この時点で、機器に設定した SNMP コミュニティ を設定し、デバイスが画面に表示される IP で SNMP クエリをサポートすることが有効になっていることを確認します。 IP アドレスは、デフォルトで public に設定されている SNMP コミュニティと同様に変更できます。 入力したら、”SNMP Walk“ ボタンをクリックします。すべてが OK の場合、インターフェースとそれらから取得できるデータが表示されます。
次のスクリーンショットに示すように、Ctrl+クリック(または Mac では CMD+クリック)を使用して、両方のボックスで複数の要素を選択できます。 各インターフェイスの送信トラフィック (ifOutOctets)、受信トラフィック(ifInOctets)、およびインターフェイスステータス(ifOperStatus)を監視することとします。この例では、eth1、eth2、および eth3 を対象にしています。
“モジュール作成(Create modules)” ボタンをクリックすると、作成されたモジュールに関する情報が画面に表示されます。
ネットワークトラフィックモジュールはインクリメンタルタイプ であることに注意してください。つまり、その値は、以前に取得した情報サンプルと現在の情報との差です。 “レート”(この場合はバイト/秒)が表示されるため、何かが表示されるまでに時間がかかります(5〜10分)。
“表示” タブをクリックしてエージェント表示に戻り、トラフィックデータが表示されるまで、更新または “表示” タブをクリックしつつ 5分間待ちます。 しばらくすると、このような画面が表示されます。この画面には、トラフィックモジュール(受信と送信別々)からのデータと、送信トラフィックと受信トラフィックを重ねた追加グラフ(“インターフェース情報(SNMP)” をクリックした場合)に直接アクセスできるインターフェイスの情報を表示する新しいエージェントセクションがあります。
待ちたくない場合やネットワークモジュールの実行を “強制” する場合は、強制リモートチェックアイコンを使用します(ローカルモジュール、またはソフトウェアエージェントによってローカルに収集されたモジュールでは機能しません)。 サーバの負荷によっては、ネットワークテストの実行に 2〜15秒かかる場合があります。
トラフィックモジュールに関する情報は、各メトリックのグラフとともにこのように表示されます。グラフアイコンをクリックすると、この監視のグラフを含むウィンドウが表示され、データアイコン
をクリックすると、データを含むテーブルが表示されます。
ネットワークパケットロス
事前設定されたリモートプラグイン が Pandora FMS に追加できます。リモートプラグインは、ユーザによって定義された Pandora FMS サーバにデプロイされたチェックを行うスクリプトまたはソフトウェアで、監視に使用できるため実行できるタスクの範囲が広がります。
プラグインの利用には、エージェント編集画面に移動してからモジュール設定タブに移動します。
プラグインモジュールの作成を選択し、”作成(Create)“ をクリックすると、”リモートプラグイン“ タイプのモジュールの設定インターフェイスが表示されます。
ドロップダウンメニューを使用してプラグイン “Packet loss” を選択し、チェックを行う対象の IP アドレスを入力します。 残りのフィールドはそのままにしておきます。
前と同様に、”作成(Create)“ ボタンをクリックして操作画面に戻ります。 新しいモジュールが一覧に表示されるまで、数回更新します。
これは非常に興味深いプラグインであり、基本的な接続(ping)および遅延時間と一緒に使用すると、5分ごとにサンプルを取得してパケット損失の割合がわかるため、ネットワークの品質を判断するのに役立ちます。
TCP ネットワークサービスの監視
次の例は、SMTP サービス(メール)がマシン上で稼働していることを確認するための監視の追加です。非常に複雑なチェック(電子メールの送信やユーザとパスワードの認証情報送信など)は難しいかもしれませんが、ポートが開いているかどうかと応答するかどうかだけをチェックすることで単純化できます。
前の例と同じ最初の手順を繰り返しますが、今回は “ネットワークモジュール” を選択します。
その後、ドロップダウンから目的の監視(Check SMTP Server)を見つけ、クリックしてモジュールを作成します。
最後に、手順を繰り返して(操作画面に移動し、監視結果が表示されるまで更新します)、最終結果が次のようになるようにします。
問題が発生した場合のアラートの追加
Pandora FMS でのアラート設定の最も基本的な方法は、特定のモジュールにアラートを割り当てることです。 より高度なアラート設定を行うことが可能(イベントアラート、相関など)ですが、このガイドでは割愛しています。まずは、監視対象のマシン(Host module alive)がダウンしたときに、電子メールを送信する設定をします。
Pandora FMS におけるアラートは、3つの要素から成ります。
- コマンド
- アクション
- テンプレート
我々のテストケースでは、定義済のコマンド(メール送信)を利用します。すでに存在するアクション(Mail to XXX
)を編集し、テンプレートについてもすでに存在する Critical condition テンプレートを利用します。これは、モジュールが障害状態になった時にアラートを実行します。
サーバ設定
email
コマンドが正しく動作するようにするには、pandora_server.conf
ファイル内で リレー メールサーバを設定する必要があります。
この例では、メールサーバは Postfix を通した localhost
になっています。ローカルメールサーバの IP アドレスまたはインターネット上に存在する IP アドレス(認証を設定する必要があります)を入力します。
/etc/pandora/pandora_server.conf
にあるサーバの設定ファイルを変更するには、root ユーザ権限が必要なため、sudo su
を実行しておく必要があります。このパスワードは、あなた自身で設定したものです。
vim でファイルを編集します。ビデオチュートリアル «Editing files with VIM» もご覧ください。
上のスクリーンショットに示されているのと同じ行を探し、画像が示すようにそれらを設定します。メールサーバがない場合は、たとえば Gmail アカウントを使用できます。こちらから、Gmail アカウントで動作するように Pandora FMS サーバを設定する方法についてのクイックガイドをご覧ください。
#
から始まる行はコメントで、サーバの動作には影響しません。
変更が完了したら、ESC を押し :wq
で保存して終了します。変更を行ったあとは、Pandora FMS サーバを再起動します。
service pandora_server restart
アラート設定
前述の通り、Pandora FMS アラートは コマンド、アクション、テンプレート の 3つのパートから構成されます。これらのオプションは、アラート(Alerts) メニューから確認できます。
このアラートを設定するには、アクションを編集するだけです。ここで使うアクションは、Mail to XXX です。
ここで、メールアドレスを変更する場合(ここでは [email protected]
を利用)、実行するアクションを特定できるように Mail to XXX
を Mail to [email protected]
に修正します。適切なフィールドを編集し、正しい送信先メールアドレスを入力しまう。
フィールド 2 では、画面に表示されているようなテキストとしています。ここでは 2つのマクロを利用しており、実行時にアラートが発生したエージェント名とモジュール名に置き換えられます。
モジュールへのアラートの割り当て
定義済のモジュールがあるエージェントの編集画面へ行き、アラートタブをクリックします。
モジュール(Host Alive)、テンプレート(Critical Condition)および、アクション(Mail to XXX)を選択し、アラートを追加します。
追加したら、動作しているかどうかエージェント表示でアラートを参照することができます。色で状態がわかります。
アラートが動作するか見るためにホストがダウンするまで待ちます。または、正しくメールが届くかどうか見るために “アラートの強制実行” もできます。強制実行には、そのアイコン(画像参照)をクリックします。
最後に、アラートメールが受信ボックスに届きます。強制実行アラートでは、データフィールドには N/A が入ります。実際のアラートでは、メッセージ内にモジュールの実際の値が入ります。
Pandora FMS アラートは、とても柔軟性があります。いくつかの場面では使うのが難しい場合があります。公式ドキュメントのアラート管理も参照ください。
ソフトウエアエージェントを使った Windows サーバの監視
Pandora FMS には 2つの監視手法があります。
- リモート (Pandora FMS サーバから対象デバイスへのポーリング)
- ローカル (監視対象マシンにインストールされたソフトウエアエージェントで情報を集め Pandora サーバへ送信する)
ここでは、MS Windows® へのソフトウエアエージェントのインストールと、それを使った基本的な監視について説明します。
エージェントインストール
まず最初に、MS Windows® エージェントをダウンロードする必要があります。以下から入手できます。
https://pandorafms.com/ja/get-started/
ここから、32bit または 64bit のエージェントを選択します。
エージェントをダウンロードしたらダブルクリックで実行します。言語の選択画面が表示されます。
これは標準的な Windows のインストーラで、ステップに従います。ライセンスを承諾すると、インストーラの画面が進みます。Pandora FMS エージェントのインストール先(デフォルトでは %ProgramFiles%/pandora_agent
)を選択します。”Browse“ をクリックし新たなパスを入力することによりインストール先を変更できます。完了したら、”Next“ をクリックします。
ファイルがコピーされるのを待ちます。エージェントのデータを受信する Pandora FMS サーバの IP アドレス(または名前)および、エージェントを所属させたいグループを設定します。
次の画面では、リモート設定を有効化するオプションが表示されます。有効化するには
1
を設定する必要があります。有効化すると、Pandora FMS サーバに設定のコピーを持ち、ローカルモジュールをコンソールから編集することができます(Enterprise版のみ)。
Pandora FMS エージェントのインストール後に、エージェントのサービスを起動するかを指定します。そうでなければ、手動で実行する必要があります。または、Windows を再起動したときに起動されます。
この処理が完了したら、対象マシンで Windows エージェントがインストールされ実行されている状態です。
エージェントが返す情報の確認
インストール後 Windows エージェントを起動したら、エージェントが何を返しているか確認するタイミングです。そのためには、エージェント名を知る必要があります。デフォルトでは、エージェントはホスト名で作成されています。cmd.exe で hostname コマンドを実行して、Windows のホスト名を確認します。
エージェント名がわかったので、次は Pandora FMS にエージェントが作成されているかどうか確認します。それには、いくつかのオプションがあります。一つ目は、エージェント詳細でのエージェントが作成されたグループ(我々の例では Workstations グループです)で検索です。
エージェントを見つけるより素早い方法は、Pandora FMS の検索バーにエージェント名を入れて検索することです。
エージェントを見つけたら、それをクリックしてエージェントが送ってきている情報を確認します。
デフォルトでは、Windows エージェントにはいくつかの定義済のローカルモジュールがあり、CPU ロード、メモリ使用率、ディスク空き容量などの基本的な監視項目があります。
このエージェントに新たなモジュールを追加する必要がある場合は、ソフトウエアエージェントを使ったモニタリング のドキュメントを参照してください。
保存しているモジュールデータのグラフおよび生データを、以下のアイコンをクリックすることにより見ることができます。
監視の詳細を表示するビジュアル画面の作成
Pandora FMS が提供する機能の一つに、ビジュアルコンソールがあります。ビジュアルコンソールは、監視に関する情報を、リアルタイムでグラフィカルにユーザがカスタマイズして表示することができます。ビジュアルコンソールの例では、世界中に広がるネットワークを表示し、スペインのノードをクリックすると、スペインのネットワーク上の要素を見ることができるものを作成します。
マップの機能では、親マップの表示に子マップの状態のまとめを表示することができます。たとえば、スペインのマップ上の 1要素が障害状態だった場合、スペインを表すアイコンの色が赤になります。情報表示の階層をカスタマイズすることができます。マップは、グループ、エージェント、モジュールなどの状態を含むことができます。グラフやデータ(数値やテキスト)、テキストタグ、アイコンも含めることができます。
マップの作成 1 (親マップ)
最初のマップでは、世界地図上にいくつかのエージェント状態を追加します。一つ一つ手動で行うかウィザードを通して行います。この操作を簡単に行うために、ここではウィザードを利用します。
最初にやることは、世界地図という新たなマップを作成することです。
作成したら、ウィザードをクリックします。
ウィザードでは要素を選択します。使おうとしているこの静的グラフの例では、エージェントやモジュールごとにアイテムを利用したい場合(この例ではエージェントごと)は、追加したいエージェントを一覧から選択します。
“追加(Add)” ボタンをクリックしすると、次のような画面のようにマップ上に作成された要素が表示されます。
要素をクリックして新たな場所にドラッグすることにより、マップ上の置きたい場所に移動させます。
マップの作成 2 (子マップ)
2つ目のマップでは、メインのエージェントの状態を表示する要素を設定します。エージェントの FreeRAM モジュールのグラフも表示します。
最初にやることは、前述の場合と同じように新たなマップを作成することです。
作成し、次の画面のように、静的グラフセクションでエージェントの状態を表示する要素を追加します。
グラフアイコンをクリックすることにより、設定と共にグラフを作成します。エージェントとグラフを見たいモジュールを追加します。
マップのメインの要素の作成ができました。そこで、エージェントに存在するモジュールごとの新たな要素を作成します。それには、以下の画面のようにウィザードを利用します。エージェントと表示されているモジュールの静的グラフを選択します。モジュールの名前をタグとして入力し、ビジュアルマップで作成したアイテムを親に設定します。この場合、すでに追加済の要素です。
これらすべての要素を作成したら、これらはメインの要素につながるように表示され、マウスでドラッグすることにより表示位置を動かすことができます。
双方のマップのリンク
前述のステップでは 2つのマップを作成しました。ここでは、”世界地図“ でスペインをクリックしたときに、”スペインの地図“ が開くようにします。
そのためには、”世界地図“ を開き編集モードで 192.168.70.70
の要素をダブルクリックします。要素のエディタが開きます。拡張オプションのマップのリンクオプションをクリックします。スペインの地図を選択します。そして要素を更新します。
世界地図の表示に戻り、スペインに置かれた要素をクリックすると、スペインの地図が表示されます。スペインの地図内に赤表示の要素が一つある場合は、親マップでスペインを表すアイコンが赤になります。
監視の調整
この章では、モジュールのいくつかの拡張オプション(しきい値、単位、その他)の設定の仕方についてみていきます。
エージェントモジュール画面へ行きます。
設定するモジュールを選択します。
その後、”拡張オプション(Advanced Options)“ タブを開き、設定を変更したいフィールドを編集します。
次の章では、”単位(Unit)“ および “間隔(Interval)” フィールド、また、”警告状態(Warning Status)“ および “障害状態(Critical Status)” の閾値の設定方法を見ていきます。
モジュールの単位の設定
このオプションで、モジュールから取得したデータの単位を定義することができます。この単位はグラフやレポートに表示されるため、どういったデータなのかが解りやすくなります。
この例では、単位は %
です。”単位(Unit)“ フィールドに移動し、目的の単位を入力します。
最後に “更新(Update)” ボタンをクリックし、モジュール表示で単位が正しく表示されているかどうか確認します。
モジュールの間隔設定
モジュールの間隔設定は、そのモジュールをどれくらいの頻度で実行するかの定義です。これはリモートモジュール(ローカルではない)に適用されます。なぜなら、ローカルモジュールはより複雑な方法で設定されているためです。リモートシステムをより細かい頻度で監視すると、監視対象システムと監視環境の負荷が高くなります。
“更新(Update)” ボタンをクリックすると、モジュールが設定されます。
モジュールの閾値設定
この章では、モジュールの “警告(Warning)” と “障害(Critical)” の閾値を設定します。これは、モジュールの障害、警告、正常状態を定義する値です。この概念を理解するには例を見るのが簡単です。
ここでは、CPU モジュールに閾値を設定したいとします。未定義の場合、このモジュールは 0% と 100% の間で常に “正常(Normal)” 状態(緑)です。CPU 使用率があらかじめ定義したパーセンテージまで達したら、モジュールを “障害(Critical)” または “警告(Warning)” 状態にしたい場合は、”警告状態(Warning Status)“ および “障害状態(Critical Status)” の閾値を設定します。この例では、CPU が 60% の利用率になったら “警告状態(Warning Status)” にし、80% を超えたら “障害状態(Critical Status)” にします。
閾値を設定したあとは、”更新(Update)“ ボタンを押すだけで閾値が正しく設定されます。次に受け取ったデータから、これらの閾値評価がされます。
閾値の拡張パラメータ
“条件の反転(inverse interval)” チェックボックスは、連続しない範囲を定義するのに利用します。この例では、値が 20 以下または 80 以上の場合にモジュールが障害状態になります。
テキストタイプのモジュールでは閾値は一致文字列で定義します。同様に、条件の反転によりパラメータとして指定した文字列に一致しない場合に障害状態にすることができます。
他の拡張パラメータ
モジュールの設定では、何十もの可能な設定がありとても柔軟性があります。オプションの全てを確認するには、Pandora FMS の公式ドキュメントを参照してください。
問題解決にはどこを見て誰に聞けばよいか
設定ファイルと診断のための情報ソース
確認する必要があるメインの設定ファイルは以下の通りです。
/etc/pandora/pandora_server.conf
. Pandora FMS サーバのメインの設定ファイル。/etc/pandora/pandora_agent.conf
. UNIX の Pandora FMS ソフトウエアエージェントのメインの設定ファイル。このファイルを編集した場合は、Pandora FMS エージェントを再起動する必要があります。%ProgramFiles%\pandora_agent\pandora_agent.conf
. Windows の Pandora FMS ソフトウエアエージェントのメインの設定ファイル。このファイルを編集した場合は、Pandora FMS エージェントのサービスを再起動する必要があります。/etc/my.cnf
. MySQL のメインの設定ファイル。/var/www/html/pandora_console/include/config.php
. Pandora FMS コンソールのメインの設定ファイル。インストール時に自動的に設定されますが、設定(パス、IP、MySQL のユーザ/パスワード、MySQL ホスト)を変更したい場合は手動で編集する必要があります。
エラーなどのより詳細な情報(ログ)は以下にあります。
/var/log/pandora/pandora_server.log
. サーバのログファイル。重要な手がかりが含まれています。より詳細を知りたい場合は、サーバの設定ファイルで “verbosity” パラメータをより詳細を出力するように編集します。/var/log/pandora/pandora_server.error
. 通常はサーバで補足されないエラー、サーバの処理によるものではないトレースエラーも含むログファイル。/var/log/pandora/pandora_agent.log
. Unix エージェントのログファイル。%PROGRAM_FILES%\pandora_agent\pandora_agent.log
. Windows エージェントのログファイル。/var/www/html/pandora_console/log/pandora_console.log
. Pandora FMS コンソールのログファイル。/var/log/httpd/error_log
. Apache(httpd) サーバのエラーログファイル。/var/log/messages
. システムのログファイル。dmesg
. kernel の警告を表示するコマンド。/var/log/pandora/pandora_snmptrap.log
. SNMP トラップログ。SNMP トラップコンソールに大量のエラーが出ている場合は、ここでエラーをトレースできます。/var/log/mysqld.log
. mysqld のログ。/var/log/pandora/web_socket.log
. Websocket のログ。/var/www/html/pandora_console/log/cron.log
. Cron ログ。
各ディレクトリのパーミッションに関しても確認すると良いです。
/var/spool/pandora/data_in/
所有者とグループが pandora:apache で、パーミッションが 755 である必要があります。/var/log/pandora/
所有者とグループが pandora:root で、パーミッションが 755 である必要があります。/var/www/html/pandora_console/include/config.php
所有者とグループが apache:apache で、パーミッションが 600 である必要があります。
バージョン 747 までは、Pandora コンソールのログは、/var/www/pandora_console/pandora_console.log
に出力されます。
OUM を使ってアップデートする場合は、logrotate ファイル を修正する必要があります。
サポート
日本においては、日本のコミュニティ https://pandorafms.jp の利用をお勧めします。 日本語メーリングリストもありますので、ぜひ参加ください。 https://pandorafms.jp/mailing-list/
FAQ (よくある質問と回答) もあります。問題解決の手助けになるでしょう。
また、日本における商用のサポートについては、以下からお問い合わせください。
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