====== SSH および FTP でのデータ転送設定 ======
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[[ja:documentation:start|Pandora FMS ドキュメント一覧に戻る]]
===== 概要 =====
Pandora FMS で標準の転送方法(tentacle)を使用できない場合があります。これは、[[https://en.wikipedia.org/wiki/Perl|Perl]] が無い Unix システム(ESX システムなど)を使用している場合で、古いシェルスクリプトのエージェントを使用する場合です。 この場合は、FTP または SSH を使用してファイルを転送することができます。
{{ :wiki:pfms-server-ftp-ssh-data.png?nolink& }}
Pandora FMS は、SSH プロトコルを使用して、[[:ja:documentation:pandorafms:introduction:03_glossary#ソフトウエアエージェント|ソフトウエアエージェント]]によって生成された XML データパッケージをサーバにコピーできます。
===== Pandora FMS へのデータ取り込みのための SSH 設定 =====
常に、Pandora FMS の [[:ja:documentation:pandorafms:technical_annexes:15_security_architecture|セキュリティアーキテクチャ]] に注意してください。
Pandora FMS サーバを **サーバ** と見なし、ソフトウェアエージェントを実行している各デバイスを **クライアント** と見なします。 **whoami** コマンドを使用して、作業しているユーザをいつでも確認できます。
==== サーバでのユーザ作成 ====
**ステップ 1**: Pandora FMS サーバがインストールされているホストに ''pandora'' ユーザを作成します。このユーザーは SSH を介してデータを受信します。 Pandora FMS サーバがすでにインストールされている場合は、このユーザはすでに作成済です。 次のコマンドを使用して、このユーザに強力なパスワードを設定します。
passwd pandora
==== サーバのユーザ設定 ====
**ステップ 2**: サーバ内で、パーミッション ''750'' およびユーザ ''pandora:root'' で ''/home/pandora/.ssh'' ディレクトリを作成します。
==== クライアントでの鍵作成 ====
**ステップ 3**: SSH を使用する必要があるエージェントの各システムで、鍵のペア(秘密鍵と公開鍵)を作成します。 これを行うには、Pandora FMS エージェントの実行に使用されるユーザで次のコマンドを実行します。
ssh-keygen
いくつかの質問が表示されます。Enter キーを押すだけで回答できます。 このユーザの公開/秘密鍵がシステムに作成されます。 次に、データの送信先である Pandora FMS サーバであるターゲットシステムにコピーします。
==== 公開鍵のサーバへのコピー ====
**ステップ 4**: 公開鍵を Pandora FMS サーバにコピーします。 作成された公開鍵をコピーするには、2つの方法があります。
=== 手動コピー ===
**クライアント** で生成された公開鍵は以下にあります。
/home//.ssh/id_rsa.pub
ここで、'''' は、**クライアント**で Pandora FMS ソフトウエアエージェントを実行するユーザ名です。鍵のペアを root ユーザで生成した場合は、以下にあります。
/root/.ssh/id_rsa.pub
このファイルには次のようなものが含まれます。
ssh-rsa AAAAB3NzaC1yc2EAAAABIwAAAQEAzqyZwhAge5LvRgC8uSm3tWaFV9O6fHQek7PjxmbBUxTWfvNbbswbFsF0esD3COavziQAUl3rP8DC28vtdWHFRHq+RS8fmJbU/VpFpN597hGeLPCbDzr2WlMvctZwia7pP4tX9tJI7oyCvDxZ7ubUUi/bvY7tfgi7b1hJHYyWPa8ik3kGhPbcffbEX/PaWbZ6TM8aOxwcHSi/4mtjCdowRwdOJ4dQPkZp+aok3Wubm5dlZCNLOZJzd9+9haGtqNoAY/hkgSe2BKs+IcrOAf6A16yiOZE/GXuk2zsaQv1iL28rOxvJuY7S4/JUvAxySI7V6ySJSljg5iDesuWoRSRdGw== root@dragoon
この内容を、**サーバ** の ''authorized_keys'' ファイルの最後に追加する必要があります。パスは次の通りです。
/home/pandora/.ssh/authorized_keys
サーバの ''authorized_keys'' ファイルの所有者とグループは ''pandora:root'' で、パーミッションは ''600'' である必要があります。
=== 自動コピー ===
**クライアント** にて次のコマンドを利用します。
ssh-copy-id pandora@
ここで、'''' は、**サーバ** の IP アドレスまたは URL です。
''pandora'' ユーザのパスワード([[:ja:documentation:pandorafms:technical_annexes:01_ssh_and_ftp_setup#サーバでのユーザ作成|ステップ 1 で設定]])を要求します。これが確認されると、次のようなメッセージが表示されます。
Now try logging into the machine, with "ssh ''", and check in:
.ssh/authorized_keys
to make sure we haven't added extra keys that you weren't expecting.
**クライアント** (のソフトウエアエージェント実行ユーザ)から、Pandora FMS **サーバ**の ''pandora'' ユーザへ自動接続が可能であることを確認します。
ssh pandora@
上記のように **サーバ** に接続できるようになると、**クライアント**のソフトウェアエージェントは監視データの送信を開始できるようになります。
==== クライアント設定 ====
SSH を介した接続を確認できたら、これがソフトウェアエージェントがデータを Pandora FMS サーバディレクトリにコピーするために使用される方法になります。 このディレクトリは次の場所にあります。
/var/spool/pandora/data_in
また、''/var/spool/pandora/data_in'' ディレクトリが存在し、ユーザ ''pandora'' に書き込み権限があることを確認してください。そうでない場合は機能しません。
最後に、クライアントの [[:ja:documentation:pandorafms:installation:05_configuration_agents#transfer_mode|ソフトウエアエージェント設定]]を変更して、コピー方法を tentacle ではなく ssh に設定します。 これは ''/etc/pandora/pandora_agent.conf''ファイルの ''transfer_mode'' 設定トークンで行います。この変更後は、クライアントのソフトウエアエージェントサービスを再起動することを忘れないでください。
==== SSH サーバのセキュリティ強化 ====
[[https://pandorafms.com/blog/information-security/|{{ :wiki:pfms-cyber_attack.png?nolink& |Absolutely no one is safe from security attacks}}]]
Pandora FMS は、特に sftp/ssh2(scp) を使用して、エージェントからサーバにデータファイルをコピーします。 このため、''pandora'' ユーザを待ち受ける SSH2 サーバを備えた少なくとも 1つのデータサーバが必要です。 これは、厳密にセキュリティ保護する必要があるネットワークにとって重大なリスクになる可能性があります。
Open SSH2 は **非常に** 安全ですが、コンピュータのセキュリティに関しては、絶対に安全なものはないため、"より安全" にするための対策を講じてください。
常に、Pandora FMS の [[:en:documentation:pandorafms:technical_annexes:15_security_architecture|セキュリティアーキテクチャ]] に注意してください。
FTP を介したアクセスに制限を設定するのと同じように、SSH を介した特定のユーザのアクセスを禁止することも可能です。
それを行うするには、**サーバ** の ''pandora'' ユーザの設定を変更します。 このユーザには[[:ja:documentation:pandorafms:technical_annexes:01_ssh_and_ftp_setup#サーバでのユーザ作成|強力なパスワード]]が必要です。 他のフォルダーへのアクセスを回避するために、ログインシェルを変更しホームディレクトリを変更します。
usermod -s /sbin/nologin -d /var/spool/pandora/data_in pandora
**サーバ** の ''pandora'' ユーザに対するこの変更で、該当ユーザが SSH でログインした際にはターミナルでコマンドを実行できなくなります。
(Pandora FMS の [[:ja:documentation:pandorafms:installation:01_installing#最低ソフトウエア要件|推奨 OS]] を確認してください。)
Debian システムでは、シェルは ''/usr/sbin/nologin'' です。
===== FTP にてサーバがデータを受け取る設定 =====
FTP 経由でデータを送信するクライアント設定は、送信するユーザとパスワードの指定で可能です。[[:ja:documentation:pandorafms:technical_reference:09_tentacle|tentacle]] の代わりに FTP を介してコピーを実装するのは非常に簡単です。
[[https://pandorafms.com/blog/file-transfer-protocol/|{{ :wiki:pfms-what-is-ftp.png?nolink& |What is File Transfer Protocol (FTP)?}}]]
FTP を使用してデータを送信するように Pandora FMS エージェントを設定するほか、Pandora FMS サーバに FTP サーバを設定し、ユーザ ''pandora'' (Pandora FMS エージェントで使用する)のパスワードを設定し、''pandora'' ユーザに ''/var/spool/pandora/data_in'' 以下の書き込みアクセスを許可します。
ニーズに合わせて FTP サーバを設定します。このガイドでは **[[https://en.wikipedia.org/wiki/Vsftpd|vsFTPd]]** を使用します。
==== Vsftpd でのセキュリティ強化 ====
Tentacle の代わりに FTP を使用することの短所は、FTP を介したデータ送信は安全ではないため、Pandora FMS サーバで FTP サーバを実行することが脆弱になります。 以下のセクションでは、サーバーの安全性を最小限にする方法について説明します。
安全上の理由で ''pandora'' ユーザの [[:ja:documentation:pandorafms:technical_annexes:01_ssh_and_ftp_setup#ssh_サーバのセキュリティ強化|SSH 経由のログインを無効にする]]のと同様に、FTP 経由の安全なアクセス方法を設定する必要があります。簡単で安全な方法は、**vsftpd** の PAM ルールを作成することです。 次の内容の ''/etc/pam.d/ftp'' ファイルを作成します。
auth required pam_listfile.so item=user sense=deny file=/etc/ftpusers onerr=succeed
# Standard pam includes
@include common-account
@include common-session
@include common-auth
auth required pam_succeed_if.so quiet user ingroup pandora
auth required pam_succeed_if.so quiet shell = /sbin/nologin
(Pandora FMS の [[:ja:documentation:pandorafms:installation:01_installing#最低ソフトウエア要件|推奨 OS]] を確認してください。)
Debian システムでは、シェルは ''/usr/sbin/nologin'' です。
**vsftpd** の設定ファイル(''/etc/vsftpd.conf'') で、''pam_service_name'' トークンを探し、作成したファイル名を入力します。
pam_service_name=ftp
この設定により、''pandora'' グループに属し、''nologin'' のシェルを持つユーザのみが FTP 経由でPandora FMS にアクセスできます。 そのため、''pandora'' ユーザを含むグループ ''pandora'' を作成する必要があります(存在しない場合)。
''/etc/vsftpd.conf'' ファイルにて、いくつかの設定を調整するだけで、FTP 経由でログインするユーザの root へのアクセスを制限できます。 パラメータは次のとおりです。
chroot_local_user=YES
chroot_list_enable=YES
chroot_list_file=/etc/vsftpd.nochroot_list
一部のユーザを除外し、**Chroot** に制限することを避ける必要がある場合は、''vsftpd.nochroot_list'' ファイルにそのユーザを含めます(1行に1ユーザー)。
セキュリティを強化するための他のオプションは次のとおりです。
dirlist_enable=NO
download_enable=NO
deny_file=authorized_keys
deny_file=.ssh
chroot_local_user=YES
設定を変更した際は、それを反映するために **vsftpd** サービスを再起動する必要があります。
これらの設定により、ユーザはそのルートディレクトリ (''pandora'' ユーザの場合は ''/var/spool/pandora/data_in'' に限定されます)。 ユーザは FTP 転送を実行してファイルを送信できますが、**ファイルの一覧は見ることができません**。
FTP でユーザ pandora を使用してログインし、ディレクトリの移動とファイル一覧の取得を試してみてください。できない場合は、正しくセットアップができています。
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